Q&A・感想

No.258 Q:打撃格闘技の最大魅力でもある「一撃必殺技」を身につけたいのですが、具体的にはどうすれば良いのでしょうか? また、そのような極めた技が有ると無いとでは、実際どのくらい自己の能力(今後の展望や可能性)が違ってくるのでしょうか?
A:簡単に説明すれば、相手の急所を十分な破壊力で打ち貫けば人は簡単に倒れます。

しかしながら実際は、相手も俊敏に動き回り、自由に攻撃もしてきます。

それらの攻撃をもらわずに相手の急所を正確にとらえるためには、真の理にかなった(正しい原理原則に基づいた)地道な練習が必要不可欠になります。

と同時に、どんな相手が来ても、常にその上のレベルでの対応ができなければ、結果的に一撃必殺にはなりえません。

そのため、相手よりも更に有効的効果的なかけ引きや戦術の習得はもとより、全てをも破壊するよりハイパワーの実戦打撃技が必要不可欠となります。
なぜなら、それらハイパワー高度な実戦打撃技を完全に習得し極める事によって、通常パワーの打撃技では到底打開不可能な状況でも簡単に突破口が開けるからです。(ハイパワーの技がある事によって戦術・かけ引きの幅が大きく広がります。)

従って当道場では、より有効的効果的な技術・かけ引き・戦術等の徹底した追求や工夫、開発の労力を決して惜しみません。

当道場の技は、全てが一撃必殺技であると同時に、それぞれの技やかけ引き・戦術等を極限までみがき続ける事に大きな価値があると考えております。

そうする事によって、あらゆる実戦状況においてより有効的効果的に切り開いて行けると同時に、格闘技やスポーツ全体の発展はもちろん、
・芸術(間合いや位置感・距離感などの正確性…デッサン力の向上・五感の発達・ブランインドイメージトレーニングで見えない部分や立体空間の正確なイメージ力アップ・動き流れの中での観察力洞察力アップ・規則性やリズム感の向上など)
・科学(実在する運動メカニズムの発見や現実理論の見極め・本来人間が持っているスパー能力のメカニズム解明によって機械電子機器への代用応用など)
・医学(人間が実際に動いている状態での正確な筋肉メカニズムや整理メカニズムの把握・それらに伴う連鎖反応(運動の種類や内容によって体温や心拍数がどのくらい上がり、どの程度エネルギーを消耗し、どのくらい感覚的な誤差が生じ、どこが限界なのかなど、具体的にどんな生理反応や反動が出るか、又その具体的メカニズムや正確な基準値の把握。…ちなみに世間一般的には、ここの部分のデータが根本的に違っていたり、健康詐欺商売などに悪用されているので要注意!)・分泌ホルモンや自立機能のもたらしている具体的なメカニズムや役割・生命が発展するための原動力(興味や旨み等が大元となる)やその具体的メカニズムの確認・体の進化のメカニズムの具体的確認や更なる可能性等)
・心理医学(普遍的な人間の反応や性質・クセなどの法則や、メンタルセットやイメージのもたらす具体的効果・精神 自律神経のコントロール、その具体的効果など)
・現実哲学(自然〜社会〜個人、それら全ての本質を見抜き、全体を考慮した上での正しいベストの生き方や優先事項の確認・悟り)など…
あらゆる文化の発展や向上、見極めに大きく役立ち、又、それこそが真のアスリート(向上者)でもあるからです。


《解説》

一撃必殺とは、本来、言葉的なお飾りではなく、格闘技の強さ(効率性や合理性)を意味します。

つまり、100発叩いて相手を倒すより、10発叩いて倒した方が効率が良く、
10発叩いて相手を倒すより、たった1発で相手を倒せた方が圧倒的に効率が良いからです。

そして競技打撃のような目先の試合を優勢勝ちするためだけの目的で、実際には効かない雑で適当なパンチ等を数を打って表面上を優勢にごまかして勝つ、というような打撃の質・レベルでは、実戦やハイレベルな試合には全く通用せず、むしろ攻め続けている自らの方が打ち疲れてやられてしまう訳です。

そのため、より有効的効果的に相手を効かすための実戦打撃を極めなければ、一撃必殺はもとより、実戦や試合にまともに対応する事すらも不可能になってしまう、という事です。

本気で一撃必殺を追及しなければ到底その領域には行き着かない訳です。

更には、ハイレベルゾーンを実際に経験する事によって初めて、それらを構築している深く幅広いつながりや普遍的関連要素が見えてくるため、
素人レベルや低いレベルの打撃技しか知らない状態と、ハイレベルな実戦打撃技を習得した状態とでは、実際に見えている世界が全く違う訳です。

スポーツや格闘技を極めてきた本物のアスリート(より有効的効果的な運動や、実際に可能なかけ引きや優先性・ハイレベルゾーンでの実際の生理現象を含む原理原則やメカニズム等を極めてきた者)の提唱する「実際の物理(原理原則など)」と、学問や教科書の世界しか知らない「理屈だけ・計算式だけの物理情報(机上の空論など)」とでは、質もレベルも(現実の世界における優劣・効果や、何が実際に成り立つか成り立たないかなどの正解すらも)全く違う訳です。

同様に、ハイレベルな経験をつんできた本物のアスリート自らの経験に基づく栄養管理・体内吸収排出メカニズム(体内の栄養吸収排出メカニズム・筋肉形成メカニズム等)と、教科書やマスコミ商売情報だけの安直な栄養管理・メカニズムとでは、指摘する内容や質が全く違う訳です。



《補足》

ちなみに「一撃必殺」のハイパワーを物理的な力(エネルギー)で記すと、
『一撃必殺に必要な衝撃力=狙ったポイントをとらえる正確性×インパクト時の質量(十分な体勢や重量・体重移動)×インパクト時のスピードの二乗』となり、
更に、
『破壊力=衝撃力×硬度(拳やスネ、足の甲などの当てる面や点のポイントの硬さ。…拳ダコのような表面的な固さや、力み的な不要な硬さ等ではなく、インパクト時の理想的な形を維持するための必要最小限の形状維持力。又その正しい拳の握り方や、当てるポイントの角度や方向の正確性の事。)』
となります。

従ってこの計算式の表す意味からも分かるように、一撃必殺のハイパワーとは、ウエイトトレーニング的なトルクハイパワーではなく、ハイスピードインパクトの事を意味する訳です。


そもそも「一撃必殺」とは、自分がやるべき事をやった後の結果論(戦うべくして戦った後の結果論)であり、決して「才能や素質」的な抽象的な物(机上の空論など)ではなく、又、お金などで一朝一夕に買えるものでもありません。

事実、その道の達人達は、より効率良く相手を斬り倒していくための技術やかけ引き・戦術等を日々の格闘技の練習の中で地道に追求・創意工夫し、それら質の高い経験を積み重ねていく事で初めて、自分なりの得意技をあみ出したり、一撃必殺技を習得しているのです。



 2008/12/04 20:41:13


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