Q&A・感想

No.259 Q1:武器対応の時、なぜ、相手のナイフや腕等を直接つかもうとしてはいけないのでしょうか?
Q2:格闘技(当道場の技術)を極めていった場合、「ナイフVS素手」ならどっちが有利なのでしょうか?
A1:フル加速したまま目標物をダイレクトに打ち抜く「カット動作」と違い、「掴むという動作」自体が目標物を弾かないようにするための減速動作である(どんなに素早くダイレクトに反応しても、当てる時には目標物を弾かないように減速する)という事と、
「掴む目標地点までの移動+キャッチ」の二挙動になるため、一挙動で直接打ち抜くような最速反応(最短時間での到達)ができなくなるからです。

A2:一般的には、単純にナイフや武器を持っている方が圧倒的に有利と言えますが、
当道場のような実戦打撃技術を極めて行った場合は、もっとハイレベルでの攻防(重要なポイント)があるため、一概にそうとも言い切れません。


《重要アドバイス》

例えば、最短で打撃処理をした後や、そのまま前方の敵の攻撃を防ぐための壁代わりに一時的に相手を掴んで対応する事は(当道場でも掴みの打撃対応技術があるように)もちろん有効でお勧めしますが、

そもそもナイフ対応の場合、相手が直接刺そうとしてくるパターンはもとより、掴もうとしたり、ナイフを取り上げようとして出したその腕を狙って切りかかってくるパターンが大半です。
(不意に手や足を出すと、その手や足を切りつけられてしまいます。)

この状況を物理的に説明するならば、ナイフによる攻防を一つの打撃動作として考えた場合、
・こちらの体を狙って直接ナイフで突いてきたり振り回してくる(直接攻撃をしてくる)パターン。
・もう一つは、こちらの素手素足の攻撃に対して、ナイフで直接受けてくる(カットディフェンスしてくる)パターン。
という意味になります。

いわば、ナイフで腕や足を切りつけてくる動作は、カットディフェンス技術そのものであり、人間の動作(格闘技)として最短反応できるから(相手より先に当てれる技術だから)手強いのです。

ちなみに、ナイフを取り上げるためにいきなり相手の懐に潜り込もうとすれば、頭や首筋・腕や肩・胴体等を簡単に切りつけられてしまいます。
(当然、つかみ技や関節技等をかける以前の問題になります。)

従って、実際の対応法としては、先ず、このカットディフェンス合戦を制せなければその先はありません。…(ここがポイント!)


Q: では、
@「相手の素手素足の攻防に対し、ナイフを持った手で円回転運動させながらナイフの鋭利ラインでカットしてくるパターン(ちなみに相手の手先足先の素早い動きをナイフの先端で直線的に突き刺すのは実質困難)」と、
A「相手のナイフ攻防に対し、何も持たない素手素足で直線軌道でダイレクトにカットするパターン」とでは、どちらがより速く、より素早くカットして自分の間合いをとれるでしょうか?

A: もちろん実際は、何も握っていないAの素手素足の速筋のみの反応でダイレクトにカットする方が圧倒的にカットスピードが速く、相手より先にカットできる訳です。


ナイフや武器等を持って振り回した場合、そのナイフや武器自体の質量によって、どんなに軽量であっても遠心力等の力がかかり、それらが手からすっぽ抜けないように最低限しっかり握った状態で動かさなければならないため、若干なりともトルクのかかった動作になる事でスピードをロスしてしまう(動きが鈍くなってしまう)訳です。

もっとわかりやすく比較するなら、仮に当道場の実戦打撃技術を身につけた同じレベルの者同士(@の自分 VS Aの自分)が、同じ技術力(同じカット軌道・正確性・同じ身体能力)で戦えば、必然的にAのナイフや武器等を何も持ってない素手素足の自分自身が勝つ(より有利に戦う事ができる)訳です。

完全リラックスした何も握ってない状態での速筋のみの反応による打撃技(攻撃やカットディフェンス)こそが最強となる訳です。

あとは個人個人が実戦の状況をちゃんと理解した上で、常に自分の間合いと体勢を維持して躊躇なく戦えているかどうかな訳です。

 (@@)V



 2009/04/09 15:49:40


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