Q&A・感想

No.261 Q:実戦と型との違いを教えてください。
A:「実戦」と「型」との違いをずばり分かりやすく例えるなら、実戦とは、水辺で勢いよく泳いでいる生きた魚を捕えるのに対し、型とは、すでに陸に打ち上げられて動けなくなった魚や薫製(くんせい)とじゃれ合うぐらい全く別物です。

つまり、何でもありの状況下で戦ったり、ルールの中でもお互い自由に動ける状況下で対応する「実戦対応」と、
無理やり不自然な形式にはめられた「型」のような「強引なマニュアル対応(机上の空論)」とでは天と地ほど差があります。


@「実戦(実戦対応)」とは、相手が自由に動ける状況下で、相手よりも有効的効果的な対応をする事です。

A「型」の場合、相手を不自然な型にはめて自由に動けない状況にした中で、指導側の身勝手な攻撃をマニュアル的に強引に入れるためのものです。

Bちなみに「実戦における基本」とは、相手が自由に動ける状況下で、相手よりも有効的効果的な対応をするための「核・土台となる動作(絶対不可欠な動作)」を指し、形式のための形式でしかない「型」や、ただの「決めつけ・約束形式的な基本」とは全く違います。


これらの簡単な見極め方として、

・実戦の動きは、終始自然体で、なめらかなキレのある動きをしていますが、

・型の場合、常に決めポーズを作る事が目的であるため、フォロースルー動作が全く無く、攻撃を当てる瞬間に不自然に力を込めたり、無理やりスピード感を演出するために、当てる前に強引に引き戻してしまったりというように、終始不自然なカクカクした硬い動きをします。

そもそも型の対応自体が、実戦の破壊力や威力を全く考慮していないため、上体が起きた状態で相手の攻撃を受け返そうとしたり、受け方自体(ディフェンス)や攻撃自体に全く体重が乗っておらず、そのため実際に相手の攻撃をディフェンスしようとしても、相手の勢いで弾かれてしまったり、実際に攻撃を当てても相手に全く効かなかったりという事態が起こります。

更には、実戦のスピードを全く考慮していない事で、直線最短軌道で飛んでくる速攻技(ジャブやストレート・前蹴りなど)に対して、大半の格闘技の型マニュアルでは腕を廻して受けようとします。…(高速直線運動に対し、円軌道では、時間のかかる受け方なので実際には受けれない。)

その他にも、相手の体勢や距離・タイミングを考えず危険な間合い(距離)で受けようとしたり、無理なパーツ(体の部位)や無理な角度で相手の攻撃を受けようとしてしまいます。

その結果、「型対応の受けや攻撃では、フルコンタクトの試合や実戦の動きで全く使えない」という事態に陥ります。

従って当道場では型的な練習は一切行っておりません。
あらゆる実戦の動きを想定した中で(実際に可能な動きや自由攻撃に対して)その状況下で最も合理的な対応技術のみを指導しております。


《補足》

当道場の受け返しは、単体でゆっくり行うものから、複雑で高速な動きまで、全て実現可能な範囲で無理なく丁寧に行いますので、実戦のかけ引きが一つ一つ正確に身についていきます。

又、独りよがりな対応や偏ったマニュアル対応にならないために必ずスパーリングを行っております。

もちろんスパーリングを含め、どの練習も、実戦力をアップさせるための合理的なプログラム(練習)ですので、強制参加ではなく、各自無理なく安全な範囲で行います。

実戦や格闘技の試合で使えないムダな練習は一切しませんのでご安心下さい。

当道場のスパーリングの内容については、『262のQ&A』を参照して下さい。


《ポイント》

・型=安易な決めつけや偏った対応・机上の空論が多い。

・実戦技術=万能で不可欠な技術・かけ引き。
※(一般的には、場当たり的な技術・対応も低いレベルでの実戦として含まれるが、それらの技術・対応は、その場しのぎや穴だらけで非合理的であるため、当道場では含ませない。あくまであらゆる実戦や格闘技・スポーツに万能で不可欠な技術・かけ引きがメイン。)



 2010/07/27 11:25:46


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